俳誌「藍生」

月刊誌。平成2年創刊。清新で活気あふれる結社。師系・山口青邨。同人制なく全員平等。主宰選の雑詠中心。全国に勉強句会あり。

〈主宰〉黒田杏子

■11月号の誌面から

カードと手紙書き上げて栗きんとん(黒田杏子)

早起きの傘寿の二人虹二重(富宇賀孝)

爽やかな日ざしさへぎる陰揺れし(マルティーナ・ディエゴ)

雨上がり橋欄干の秋茜(香月千秋)

鉾囃子人混みさへも懐しく(髙田正子)

 

シリーズ特集「戦後生まれの女性俳人」は対馬康子と髙田正子。対馬は、「少年少女世界文学全集」や兄の本棚の北杜夫や小田実、貸本屋の漫画や江戸川乱歩を読み耽った少女期ののち、上京して同世代の学生俳人たちと交流し、「麦」で中島斌雄に学んだ日々等をふり返る。

 

 髙田は自身が過去に各紙・誌に寄せたコラムを紐解きながらの随想。髙田は本年(2022)8月に深夜叢書社から評論『黒田杏子の俳句』を出版したが、黒田の計らいで「藍生」の全会員に届けられたという。