俳誌「炎環」

月刊誌。昭和64年1月、石寒太が東京で創刊。師系・加藤楸邨。「心語一如」のもとに、言葉にも心にもかたよらず、自分の言葉で表現。

〈主宰〉石 寒太

■10月号の誌面から

飯笊の洗ひ晒しの厨かな(石寒太)

閉館の岩波ホール蟬時雨(丸山きゅん)

滝見茶屋味噌こんにやくの他無くて(丹間美智子)

明易の言葉はプラスチックめき(柏柳明子)

しろたへの便器ごきぶり流し終へ(このはる紗耶)

 

石寒太の「玄々山房月録」は「「お宿 まつや」の伝統」。吟行で訪れた野積海岸の民宿「お宿 まつや」の印象と歴史を伝える随想。

宮本佳世乃の「句集を読む」は石田郷子『木の名前』。〈さへづりのだんだん吾を容れにけり〉について「作者は立ち止まっているのではなく、さえずりとともにどんどん拡大しているようにも感じる」と鑑賞。