月刊誌。平成7年1月、神戸で山田弘子が創刊。師系・稲畑汀子。自然を讃えること、日本語を磨くこと、伝統性と現存性の調和。
■12月号の誌面から
障子貼り淡き余白の生まれけり(山田佳乃)
スケートに乗る海の灯の色数多(辻桂湖)
小鳥来て緊張ゆるぶ絵筆かな(岡悦子)
倒れたるヨットにヨット近付き来(金澤正惠)
■主宰の随想「海光抄」は「白梅を吸う」。京極杞陽が昭和34年に発表した〈寒鮒を釣る白梅を吸ひながら〉を取り上げ、「白梅」が当時の刻み煙草の銘柄であることを解説しつつ、「商標は比較的儚い運命です。その時代を象徴する商標は非常に懐かしく思われる方もおられるでしょうし独特の魅力があります。ケースバイケースですが活字になり長い年月を読み継がれるとするならば、作句のときに熟考せねばならないと思っています」とする。
■「俳句への導き」は中村澄子「子育て仲間から句友へ、大切な先生方との出会い」。昭和46年に家族ぐるみで芦屋に転居、その後のご近所づきあいが契機となって稲畑汀子のカルチャー教室に通うようになったのが作句の契機で、以後、田畑美穂女、山田弘子というよき師とも出会ったという。