俳誌「南風」

月刊誌。昭和8年1月、山口草堂が大阪で創刊。師系・秋桜子。いま生きて在る喜び、その実感を大事に「生きる証の俳句を」。

〈主宰〉村上鞆彦

■10月号の誌面から

顔出してプールに仰ぐ椰子の風(村上鞆彦)

左右より海へ石段夏燕(寺井治)

バー越ゆる蹄光れる青葉かな(新治功)

夏の灯に子は黙読を覚えけり(津川絵理子)

返却ポストを本滑り落つ百日紅(陰山恵)

 

「南風集選者交代のおしらせ」を掲載。会員の雑詠欄「南風集」の選者が2023年1月号をもって津川絵理子から村上鞆彦に交代、津川は南風俳句会顧問に就任するという。

「俳句深耕」は藺草慶子(「秀」「星の木」)の「つながり響く」。7月に父を看取った際の思いから、人の死とは「いったん形のないものとなって世界にゆきわたり、万物と一体化し、循環する」ものだと感じ取り、俳句という形式はその宇宙の摂理と響き合うものではないかと考察する。