月刊誌。昭和8年1月、山口草堂が大阪で創刊。師系・秋桜子。いま生きて在る喜び、その実感を大事に「生きる証の俳句を」。
■12月号の誌面から
かなかなや遊具は鉄のつめたさに(村上鞆彦)
打ちつくる雨や潮や秋簾(津川絵理子)
鶏を提げて磧へ豊の秋(井手千二)
残る蜂禾の葉裏に揺れどほし(山室裕子)
水晶のなか水動く秋思かな(ばんかおり)
■創刊主宰の山口草堂時代から在籍する古参同人・瀨山一英が八月に死去。宇陀の地で作句し、昭和51年には鷲谷七菜子を宇陀に案内したこともあるという。〈雨止みし木々かがやかす初音かな〉(一英)。
■「俳句深耕」は藤本智子「巣ごもり奮闘記」。〈極端な人見知り〉にして〈筋金入りの出不精〉だという筆者が、「俳句の楽しみ方や学び方は人それぞれ」という自身の思いを開陳する。