俳誌「草樹」

隔月刊誌。平成17年12月、呼び掛け人・宇多喜代子、丸山景子、吉田成子によって創刊。会員制俳誌として創造性を重視する。

〈会員代表〉宇多喜代子

■100号記念号の誌面から

先生に富士の句のある五月かな(宇多喜代子)

人去りてぬくき名残や夕桜(竹花千鶴)

抱きとめし子のやはらかに花の昼(中田七重)

ひとりの灯消せば金魚が淋しがる(竹島悠紀子)

 

桂信子の「草苑」の後継誌として平成17年12月に創刊された「草樹」の第100号。吉田成子は「百号までを振り返って」で「いま俳句会は高齢化が著しく、どの俳誌も所属人員が減少しているようですが、われわれの「草樹」も同じです。(中略)周囲に仲間が多いに越したことはありませんが、俳句作りは所詮独りの作業です。「ひとりごころ」の探求です。縁あって一堂に集まった仲間との出会いを大切に、個の力を集結して「草樹」の発展に結び付けたいものです」と述べる。

記念アンケート「草樹会員が選ぶ桂信子先生の一句」。上位は〈たてよこに富士伸びてゐる夏野かな〉(21票)、〈一心に生きてさくらのころとなる〉(15票)、〈ゆるやかに着てひとと逢ふ螢の夜〉(13票)。