9月25日〜28日
・泣けば子が何故に泣くかと秋の暮(野見山ひふみ)
・巨き手のひとを夫とす菊日和(山田径子)
・手の平の新米吾子の飢ゑ知らず(小川玉泉)
・我も汝も秋冷のもの汝を抱く(藤田哲史)
9月21日〜24日
・赤ん坊を洗ひあげたる良夜かな(山田露結)
・十六夜や音澄む妻の花鋏(岡田貞峰)
・長寿の母うんこのようにわれを産みぬ(金子兜太)
・野にて裂く封書一片曼珠沙華(鷲谷七菜子)
9月17日〜20日
・凭れ合う鶏頭にして愛し合う(曾根 毅)
・あきざくら咽喉に穴あく情死かな(宇多喜代子)
・父も又早世の人獺祭忌(稲畑廣太郎)
・秋風や殺すにたらぬ人ひとり(西島麦南)
9月13日〜16日
・颱風をよろこぶ子等と籠りゐる
・色鳥や病みては妻も擁かれず
・道あれば露草咲いて師の忌かな
・庭の菊男の子等は母が好き
9月9日〜12日
・こほろぎやおやすみなさい鷹夫仏
・秋の浜これきり逢はぬため歩む
・餓鬼のしりへにぬかづく恋か放屁虫
・投げキッスもろうたもろた秋祭
9月5日〜8日
・石榴吸ふいかに愛されても独り
・晴れた日は小鳥になつて会ひに来る
・蓑虫や僕は両親の子に生まれ
・流星や行方知れずの恋をして
8月25日〜28日
・つくつくぼふしつくつくぼふし愛の欲し
・桔梗一輪人を打つとき目を閉ぢよ
・きみんちのわけわかんない秋はじめ
・いもうとをむかし欲しがり赤のまま