10月25日〜28日
・フラミンゴ夜は晩秋の色となる(津久井紀代)
・露の玉蟻たぢたぢとなりにけり(川端茅舎)
・魚らは風音知らず十三夜(渡部州麻子)
・谷風も木の葉山女も甲斐路かな(草間時彦)
10月21日〜24日
・猫の墓金魚の墓や秋深し(津久井健之)
・晴れわたる羊まるまる柚子まるまる(遠山陽子)
・鶫死して翅拡ぐるに任せたり(山口誓子)
・霜降の夕べ鯔とぶ出雲かな(脇村禎徳)
10月17日〜20日
・秋鯖の全身青く売られけり(嶋田麻紀)
・蹼の生えてめざめし月夜かな(眞鍋呉夫)
・瓜坊も来よ山の子の祭笛(永島靖子)
・驚きの手足のままに鵙の贄(西宮 舞)
10月13日〜16日
・犬放ちたちまち風の芒原(水原春郎)
・しあわせな木の実まざりし鳥の糞(渋川京子)
・滅びしは朱鷺のみならず島の秋(名和佑介)
・十頭のうち八頭の鹿が見る(阪西敦子)
10月9日〜12日
・体育の日を耳立てて兎たち(辻田克巳)
・寝ころべば若き日の空鬼やんま(成田千空)
・秋夕焼いるかの息は水の匂い(髙勢祥子)
・花鶏来とさわさわと鳴る樫の木よ(木倉フミヱ)
10月5日〜8日
・ななふしのやうにどこかにゐてくれる(小池康生)
・痩馬のあはれ機嫌や秋高し(村上鬼城)
・摘みくれし秋草蟻をこぼしけり(石田郷子)
・みのむしや人として世をものもらひ(常世田長翠)
10月1日〜4日
・鶴の来るために大空あけて待つ(後藤比奈夫)
・瀬田降りて志賀の夕日や江鮭(与謝蕪村)
・草の実の飛んで鰊が蕎麦の上(山口昭男)
・稲雀上機嫌なる日和かな(黒川悦子)
9月25日〜28日
・巣をあるく蜂のあしおと秋の昼(宇佐美魚目)
・天高し駝鳥はいつも脱走中 (小林貴子)
・みちのくの鮭は醜し吾もみちのく(山口青邨)
・秋の蜘蛛息吹きかけてすこし追ふ(森賀まり)