愛の歳時記365日

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    3月1日〜4日

    ・すみれそよぐ生後0日目の寝息(神野紗希)
    ・抱けば君のなかに菜の花灯りけり(河原枇杷男)
    ・結婚は夢の続きやひな祭り(夏目雅子)
    ・いじめると陽炎になる妹よ(仁平 勝)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    2月25日〜28日

    うらやまし思ひきる時猫の恋(越智越人)
    大切な人の掌蝶生る(辻内京子)
    はくれんのごとくつめたき肌とも(木村定生)
    父母のしきりに恋ひし雉子の声(松尾芭蕉)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    2月21日〜24日

    襟あしの黒子あやふし朧月(竹久夢二)
    猫柳ほどには君を慰めえず(藤井あかり)
    春雷を殺し文句のやうに聴く(鈴木榮子)
    子の息に母の息足す紙風船(薗田郁子)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    2月17日〜20日

    かの人を思ふよすがの玉椿(後藤比奈夫)
    囀りや詩は垂直に愛を告げ(長嶺千晶)
    春陰や独り身罪に似たるかに(佐野美智)
    頰刺や父をひとりにして永し(冨田正吉)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    2月13日〜16日

    またしても妻の足音かと思ふ(日野草城)
    バレンタインデー愛のかけらを貰ひけり(安居正浩)
    魚は氷に上るや恋の扉開く(青柳 飛)
    春眠の子のやはらかに指ひらき(深見けん二)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    2月9日〜12日

    花粉症恋もくしやみも勘違ひ(島田葉月)
    ほろ苦き恋の味なり蕗の薹(杉田久女)
    妻のほかの黒髪知らず夜の梅(能村登四郎)
    おうと片手を挙げゆけり受験生(名取里美)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    2月5日〜8日

    遺影めく君の真顔や我を抱き(佐藤文香)
    我したること吾子もする竜の玉(上野章子)
    愛されてゐて薄氷を踏むあそび(辻 美奈子)
    どこまでが帯どこからがおぼろの夜(津沢マサ子)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    2月1日〜4日

    春隣吾子の微笑の日日あたらし(篠原 梵)
    獄凍てぬ妻きてわれに礼をなす(秋元不死男)
    三つ子さへかりりかりりや年の豆(小林一茶)
    日脚伸ぶ母を躓かせぬやうに(廣瀬直人)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    1月29日〜31日

    ・雪はげし抱かれて息のつまりしこと(橋本多佳子)
    ・嫉妬無き夜も葱切つて涙して(八木三日女)
    ・わが胸にすむ人ひとり冬の梅(久保田万太郎

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    1月25日〜28日

    ・抱きとめし子に寒木の硬さあり(髙柳克弘)
    ・スキー帽一つを見失はぬやう(中田尚子)
    ・河豚を煮て生涯愚妻たらむかな(石田あき子)
    ・千鳥鳴く夜かな凍てし女の手(中塚一碧楼)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    1月21日〜24日

    ・乳与う胸に星雲地に凍河(対馬康子)
    ・告げざる愛雪嶺はまた雪かさね(上田五千石)
    ・煖炉灼く夫よタンゴを踊らうか(三橋鷹女)
    ・寒中の汝に会へばそれでよし(古舘曹人)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    1月17日〜20日

    ・母の死のととのつてゆく夜の雪(井上弘美)
    ・雪晴や父に抱かれて投函す(野見山ひふみ)
    ・狸汁吾子還暦となりしかな(栗林千津)
    ・後の世に逢はば二本の氷柱かな(大木あまり)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    1月13日〜16日

    ・風花や髪に触れては指熱し(小島 健)
    ・寒昴幼き星をしたがへて(角川照子)
    ・誰も来よ今日小正月よく晴れし(星野立子)
    ・もう一度恋をしたいよ寒鴉(前田吐実男)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    1月9日〜12日

    ・汝が胸を雪見舟ともおもひつつ(島田牙城)
    ・逢ひみてののちの雪搔く日々であり(太田うさぎ)
    ・一月の山の容を父とせり(斎藤梅子)
    ・湯豆腐や夫婦といふはをかしきもの(渡辺恭子)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    1月5日〜8日

    ・七人の敵なつかしき初句会(松倉ゆずる)
    ・愛情は泉のごとし毛糸編む(山口波津女)
    ・七草や兄弟の子の起きそろひ(炭 太祇)
    ・水仙の日向に母と居る如く(星野 椿)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    1月1日〜4日

    ・抱擁や初髪惜し気なくつぶす(品川鈴子)
    ・母方の鼻あつまりて御慶かな(矢野玲奈)
    ・爺ちやんにもらふ皺くちやお年玉(木田千女)
    ・初便り皆生きてゐてくれしかな(石塚友二)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    12月29日〜31日

    ・冬帽子父のごとくに古りゆけり(菊池麻風)
    ・戀といふ字をつくづくと年の暮(石田勝彦)
    ・除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり(森 澄雄)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    12月25日〜28日

    ・聖しこの夜人の世に人愛し(向田貴子)
    ・もうゐないけんくわ相手よ雪催(石 寒太)
    ・数へ日の中に逢瀬を得たりけり(加藤三七子)
    ・煤逃げの家にも世にも帰り来ず(文挾夫佐恵)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    12月21日〜24日

    ・夫とゐて冬薔薇に唇つけし罪(鷹羽狩行)
    ・ゆず湯の柚子つついて恋を今している(越智友亮)
    ・問ひ詰めて人を泣かせし寒さかな(佐野美智)
    ・リボンかけ終へクリスマスプレゼント(今井千鶴子)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    12月17日〜20日

    ・われの妻みるみるスキーヤーとなる(田中春生)
    ・ひそやかに女とありぬ年忘(松根東洋城)
    ・マフラーを巻いてやるすこし絞めてやる(柴田佐知子)
    ・その恋を断てと狐火あらはるる(仙田洋子)