愛の歳時記365日

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    12月13日〜16日

    ・雪の野のふたりの人のつひにあふ(山口青邨)
    ・十二月友にふとん屋こんにやく屋(内田美紗)
    ・熱燗の夫にも捨てし夢あらむ(西村和子)
    ・人抱けば人ひびきける霜夜かな(小澤 實)

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    12月9日〜12日

    ・妻より受く吾子は毛布の重さのみ(大串 章)
    ・牡蠣買うて愛なども告げられてゐる(阪西敦子)
    ・師走の夜つめたい寝床が一つあるきり(尾崎放哉)
    ・角巻の瞳のかがやくは恋ならむ(小林康治)

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    12月5日〜8日

    ・重ね着て母の編みたるものばかり(西嶋あさ子)
    ・冬濤に思ひやまざる恋といふか(稲垣きくの)
    ・なほ翔ぶは凍てぬため愛告げんため(折笠美秋)
    ・十二月八日よ母が寒がりぬ(榎本好宏)

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    12月1日〜4日

    ・先生ありがとうございました冬日ひとつ(池田澄子)
    ・冬ざれのくちびるを吸ふ別れかな(日野草城)
    ・父に湯たんぽ父に家捨てさせて(髙田正子)
    ・窓越しに君には見ゆる冬の雨(藤井あかり)

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    11月29日〜30日

    ・灯をともし潤子のやうな小さいランプ(富澤赤黄男)
    ・好きな人ふたりゐて冬あたたかし(浦川聡子)

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    11月25日〜28日

    ・ゆふべ背に立てたる爪で蜜柑剝く(山﨑十生)
    ・青年へ愛なき冬木日曇る(佐藤鬼房)
    ・ふたたび見ず柩の上の冬の蜂(山田みづえ)
    ・空港は別るるところ冬夕焼(谷中隆子)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    11月21日〜24日

    ・海を見に父をつれだす返り花(野木桃花)
    ・追ひつきて革手袋の手に触るる(高浦銘子)
    ・埋火がほのとあり閨なまめきぬ(松瀬青々)
    ・みんな来よ今宵の炬燵あたたかし(五十嵐八重子)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    11月17日〜20日

    ・愛かなしつめたき目玉舐めたれば(榮 猿丸)
    ・父を恋ふ心小春の日に似たる(高浜虚子)
    ・まつ白いセーターを着て逢ひにゆく(伊藤政美)
    ・家族とは焚火にかざす掌のごとく(小川軽舟)

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    11月13日〜16日

    ・カトレアを挿し花嫁の父となる(大石悦子)
    ・騒然と人恋うてゐる夜の落葉(金田咲子)
    ・花束の如抱き上げし七五三(千原叡子)
    ・みそさざい兄のかなしみには触れず(黒田杏子)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    11月9日〜12日

    ・母の手をひいて雑踏日短か(坊城中子)
    ・こちら向く顔に水洟しづかさよ(森賀まり)
    ・鉛筆を尖らす愛に遠ければ(徳広 純)
    ・湯ざめして或夜の妻の美しく(鈴木花蓑)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    11月5日〜8日

    ・画面の君へ消毒液負けの手を振る(佐藤文香)
    ・汝を帰す胸に木枯鳴りとよむ(藤沢周平)
    ・冬来れば母の手織りの紺深し(細見綾子)
    ・未婚一生洗ひし足袋が合掌す(寺田京子)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    11月1日〜4日

    ・老が恋わすれんとすればしぐれかな(与謝蕪村)
    ・黄落や父を刺さずに二十歳過ぐ(中村安伸)
    ・母と娘の声がそつくり冬支度(今井つる女)
    ・人を愛し人に昂り秋の逝く(牧石剛明)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    10月29日〜31日

    ・銀杏散る兄が駈ければ妹も(安住 敦)
    ・あはれ子の夜寒の床の引けば寄る(中村汀女)
    ・ハロウィンの魔女に悪魔に母若し(三森鉄治)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    10月25日〜28日

    ・秋深き隣は何をする人ぞ(松尾芭蕉)
    ・髪に露結ぶまで野を逢ひに行く(野中亮介)
    ・なほ母をうしなひつづけ霧ぶすま(櫂未知子)
    ・友の子に友の匂ひや梨しやりり(野口る理)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    10月21日〜24日

    ・父といふしづけさにゐて胡桃割る (上田五千石)
    ・四人兄弟みな五分刈りや吾亦紅(トオイダイスケ)
    ・人の手がしづかに肩へ秋日和(鷲谷七菜子)
    ・ふと子のことを百舌鳥が啼く(種田山頭火)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    10月17日〜20日

    ・秋の暮母さんは叱るだらうか(関根 空)
    ・抱けば子の熱きはらわた十三夜(鎌田 俊)
    ・団栗のつぎつぎ生まる子の蒲団(檜山火山)
    ・大空や男女秋思を語り合はず(澤田和弥)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    10月13日〜16日

    ・誰かれと逢ひたく歩く晩秋よ(清水径子)
    ・子供の手いつもあたたか紅葉狩(岡田日郎)
    ・恋ふたつ レモンはうまく切れません(松本恭子)
    ・椎の実が降るはればれと愛されよ(藤田湘子)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    10月9日〜12日

    ・秋雲一片遺されし父何を為さん(福田蓼汀)
    ・天高し心に翼もちて子は(大竹多可志)
    ・万葉の秋の田の歌恋の歌(筑紫磐井)
    ・秋刀魚焼くいつしか君の妻となり(大高 翔)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
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    10月5日〜8日

    ・子にみやげなき秋の夜の肩ぐるま(能村登四郎)
    ・木犀や恋のはじめの丁寧語 (南十二国)
    ・月光にいのち死にゆくひとと寝る(橋本多佳子)
    ・柿を見て柿の話を父と祖父 (塩見恵介)

  • 愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)
    愛の歳時記365日(鑑賞・俳句αあるふぁ編集部)

    10月1日〜4日

    ・林檎の木ゆさぶりやまず逢いたきとき(寺山修司)
    ・目のなかに芒原あり森賀まり(田中裕明)
    ・さびしがりやの師や栗の葉を指に捲き(熊谷愛子)
    ・月の美しさがわかる人とゐる(杉田菜穂)