愛の歳時記365日

  • 空の歳時記365日
    空の歳時記365日

    12月25日〜28日

    ・ペンギンと空を見ていたクリスマス(塩見恵介)
    ・日記買ふ遠くの空の明るくて(河内静魚)
    ・冬夕焼わが失ひし血のごとく(木下夕爾)
    ・山上は無垢の青空斧仕舞(古賀まり子)

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    空の歳時記365日

    12月21日〜24日

    ・気球みな流されてゆく冬の景(津川絵理子)
    ・山国の虚空日わたる冬至かな(飯田蛇笏)
    ・白鳥翔ぶ空ある限り人愛す(藤木倶子)
    ・星空のおくの奥まで聖夜かな(藤本夕衣)

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    空の歳時記365日

    12月17日〜20日

    ・短日や翼ある人我らを見る(藤岡筑邨)
    ・一本の樫空刺してわれに棲む(酒井弘司)
    ・遠山に日の当りたる枯野かな(高浜虚子)
    ・極月の空青々と追ふものなし(金田咲子)

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    空の歳時記365日

    12月13日〜16日

    ・天網は冬の菫の匂かな(飯島晴子)
    ・冬の雨空をあかるくしてはただ(村越 敦)
    ・荒涼たる星を見守る息白く(野澤節子)
    ・水鳥に空が近づく薄暮光(渡辺恭子)

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    空の歳時記365日

    12月9日〜12日

    ・地下鉄に息つぎありぬ冬銀河(小嶋洋子)
    ・一本の冬木をめがけ夜の明くる(望月 周)
    ・冬麗のたれにも逢はぬところまで(黒田杏子)
    ・ことごとく未踏なりけり冬の星(髙柳克弘)

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    12月5日〜8日

    ・窓にいま太陽生まる冬林檎(花谷和子)
    ・尖りたる先は蒼天冬木の芽(白石渕路)
    ・すぐくらくなる侘助の日暮かな(草間時彦)
    ・十二月八日の空が井戸の底(櫨木優子)

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    12月1日〜4日

    ・大仏の冬日は山に移りけり(星野立子)
    ・すぢかひのつめたさ空の組み上がる(鴇田智哉)
    ・冬桜海に日の射すひとところ(岸田稚魚)
    ・櫂あらば冬青空へ漕ぎ出でむ(嶋田麻紀)

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    11月29日〜30日

    ・凩の果はありけり海の音(池西言水)
    ・空といふ自由鶴舞ひやまざるは(稲畑汀子)

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    11月25日〜28日

    ・なかぞらに風は笛吹き冬珊瑚(飴山 實)
    ・茶の花の白いとしめば曇りけり(徳永夏川女)
    ・廃駅あり冬の落暉を見るために(永島靖子)
    ・これやこの冬三日月の鋭きひかり(久保田万太郎)

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    11月21日〜24日

    ・見てゐるはいつも裏なり冬の雲(髙勢祥子)
    ・木の葉舞ふ天上は風迅きかな(太田鴻村)
    ・青空と荒野を愛し子を抱かず(津沢マサ子)
    ・冬鷗夕日まぬがれがたく浴び(村上鞆彦)

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    11月17日〜20日

    ・しぐれふるみちのくに大き仏あり(水原秋桜子)
    ・白日は我が霊なりし落葉かな(渡辺水巴)
    ・八つ手咲き夜も青々と天ありぬ(菖蒲あや)
    ・こぼれては風拾ひ行鵆かな(加賀千代女)

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    11月13日〜16日

    ・綿虫の夕空毀れやすきかな (佐藤鬼房)
    ・帰り花空は風音もて応ふ (廣瀬直人)
    ・七五三石段天に到りけり (野口里井)
    ・柊咲くいつからを夕暮れと呼ぶ(塩野谷仁)

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    11月9日〜12日

    ・玉の如き小春日和を授かりし(松本たかし)
    ・また空を噴煙とほる枇杷の花(大岳水一路)
    ・昇る陽の色となりつつ尾白鷲(渡辺和弘)
    ・雲一つ置かぬ空なり猟銃音(鈴木厚子)

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    11月5日〜8日

    ・日が射して山かるくなる神無月(中尾寿美子)
    ・黄落期星のひとつに我ら棲み(岡本差知子)
    ・屋上のここからが空冬が来る(遠藤由樹子)
    ・青空や神も蜜柑も八百萬(山本紫黄)

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    11月1日〜4日

    ・夜空には数ふる星よすぐ冬よ(高木晴子)
    ・ペルシアより空を飛び来し大絨毯(有馬朗人)
    ・空はみささぎ花鶏など居させむ(飯島晴子)
    ・君んちの毛布をめくったら夜空(神野紗希)

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    10月29日〜31日

    ・とろとろと冬の近づく曇り空(日美清史)
    ・水くらくあをぞらうつす松ぼくり(堀下翔)
    ・秋惜む神を恐れぬ高さより(今橋眞理子)

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    10月25日〜28日

    ・青空の押し移りゐる紅葉かな(松藤夏山)
    ・秋嶺となりておのおの天に帰す(太田 嗟)
    ・あをぞらのつめたくなりし秋燕忌(神蔵 器)
    ・コーヒ店永遠に在り秋の雨(永田耕衣)

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    10月21日〜24日

    ・手鏡やみ空の鵯の声を追ひ(川端茅舎)
    ・金木犀耳空つぽに晴れわたり(宮地英子)
    ・松手入して青空もかたち佳し(横澤放川)
    ・銀杏にちりぢりの空暮れにけり(芝不器男)

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    10月17日〜20日

    ・によつぽりと秋の空なる富士の山(上島鬼貫)
    ・一痕は大空にあり鵙の贄(柿本多映)
    ・江戸の空東京の空秋刀魚買ふ(摂津幸彦)
    ・大空の雲はちぎれて秋祭(前田普羅)

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    10月13日〜16日

    ・吾亦紅風が持ち去る日月よ(渡辺桂子)
    ・雁の声のしばらく空に満ち(高野素十)
    ・干烏賊に島の日照雨のいくたびも(清崎敏郎)
    ・月下の宿帳/先客の名はリラダン伯爵(高柳重信)