10月9日〜12日
・雲を見るほかなく角の伐られけり(岩田 奎)
・秋晴の運動会をしてゐるよ(富安風生)
・虫の夜の星空に浮く地球かな(大峯あきら)
・十月のやたらさみしい雨の朝(中内亮玄)
10月5日〜8日
・稲刈つて鳥入れかはる甲斐の空(福田甲子雄)
・一歩出てわが影を得し秋日和(日野草城)
・空も酔ふ笛の一節くんち来る(中尾杏子)
・散るものに十三夜月ひかり与へ(村越化石)
10月1日〜4日
・空は太初の青さ妻より林檎うく(中村草田男)
・青空のしんとありけり唐辛子(行方克巳)
・蛇笏忌の空屈強の山ばかり(飯田龍太)
・空くるり吸はれて菊に奥のある(宮﨑莉々香)
9月29日〜30日
・忽然と空に吸はれし秋の蝶 (蟇目良雨)
・永遠のやうないちにちあきのそら(南十二国)
9月25日〜28日
・白雲と心かよはせ秋遍路 (櫨木優子)
・秋天の微塵となつてゆく離陸 (岩岡中正)
・秋高し羽あるものは羽を信じ (ながさく清江)
・月光を舐めては透ける舌の先 (高岡 修)
9月21日〜24日
・天に雨の降り残しなし鬼薊(澤 好摩)
・野分晴サーファー波を横走り(德田千鶴子)
・イヤフォンを外せば釣瓶落としかな(津久井健之)
・椋鳥去つてしまひし雲の動きけり(稲畑汀子)
9月17日〜20日
・天に雨の降り残しなし鬼薊(澤 好摩)
・野分晴サーファー波を横走り(德田千鶴子)
・イヤフォンを外せば釣瓶落としかな(津久井健之)
・椋鳥去つてしまひし雲の動きけり(稲畑汀子)
9月13日〜16日
・鳥かぶと夕日がくらくなりにけり(永作火童)
・鳥渡る重たき影を捨てつづけ (浦川聡子)
・颱風の目つついてをりぬ豫報官(中原道夫)
・反故ふやす九月の空が広すぎて(豊田都峰)
9月9日〜12日
・長雨の降るだけ降るや赤のまま(中村汀女)
・名月や池をめぐりて夜もすがら(松尾芭蕉)
・さやうなら霧の彼方も深き霧(三橋鷹女)
・秋日背に眠くなるとは贅沢な(星野 椿)
9月5日〜8日
・冷かに日輪蝕し風絶えき(高橋淡路女)
・天高く人生なんと恥多き(鈴木真砂女)
・一生の手紙の嵩や秋つばめ(田中裕明)
・照らし合ふことなき星や星月夜(片山由美子)
9月1日〜4日
・大空に又わき出でし小鳥かな(高浜虚子)
・新涼や紫紺の富士を機上より(武原はん女)
・生きて仰ぐ空の高さよ赤蜻蛉(夏目漱石)
・夕暮を部屋いつぱいに入れて秋(藤原暢子)
8月29日〜31日
・吾妻かの三日月ほどの吾子胎すか(中村草田男)
・鰯雲生涯いつも一人旅(安原 葉)
・明日から九月土星よ金星よ(今井肖子)
8月25日〜28日
・秋の虹消えたるのちも仰がるる(山田弘子)
・梨むくや夜空は水をふふみをり(小川軽舟)
・暮れかかる空が蜻蛉の翅の中(津川絵理子)
・ころり寝ころべば青空(種田山頭火))
8月21日〜24日
・草ひばり色なくなりし空に鳴く(西垣 脩)
・白芙蓉暁けの明星らんらんと(川端茅舎)
・おーい雲一生いっしょ牛膝 (陽山道子)
・どちらから手を離せしか星流る(鳥居美智子)
8月17日〜20日
・秋めくやああした雲の出かかれば(池内たけし)
・天と地は縫い合わされて柚子坊よ(志賀 康)
・松虫草ケルンに走る雲の影 (永井由紀子)
・いなびかり北よりすれば北を見る(橋本多佳子)
8月13日〜16日
・瓢簞の尻に集まる雨雫(棚山波朗)
・墓洗ふをはりの水を空に打ち(丹羽真一)
・敗戦日青空だけが無傷なり(前川紅樓)
・大文字やあふみの空もただならね(与謝蕪村)
8月9日〜12日
・黙禱のしづけさ空にとりまかれ (藤木清子)
・灯を消して寝につく喜雨の音のなか (本宮哲郎)
・朝顔や濁り初めたる市の空 (杉田久女)
・秋暑く雲の奔騰なほ続く (中村与謝男)
8月5日〜8日
・炎天こそすなはち永遠の草田男忌(鍵和田秞子)
・うすものを着て雲の行くたのしさよ(細見綾子)
・なんとなく飛べそうな空今朝の秋(岸本マチ子)
・天の川わたるお多福豆一列(加藤楸邨)
8月1日〜4日
・八月の空やしづかに人並び(柿本多映)
・子を殴ちしながき一瞬天の蟬(秋元不死男)
・人々に夜空は一つ揚花火(須藤常央)
・窓広く夏の終りとなつてゐる(阪西敦子)
7月29日〜31日
・空へ消えゆく人を見てお花畑(加藤三七子)
・涼風の曲りくねつて来たりけり(小林一茶)
・をさなごと雲見てゐたる晩夏かな(押野 裕)