俳誌「ろんど」

〈沿革〉月刊誌。平成4年、鳥居おさむが東京で創刊。師系・角川源義。定型を守り、真・新・深を標榜。自然を愛する心をもって俳句を詠む。

〈主宰〉すずき巴里

■9月号の誌面から

思春期の帽子や思秋期の日傘(すずき巴里)

尺蠖に倣ひし歩みもて逝くか(田中貞雄)

朝顔に絡みからまれ通りゃんせ(鳥居美智子)

ふて腐る空と言ひけり梅雨玄鳥(柳本渓光)

海に浮かぶ双子の島へ梅雨最中(佐藤凉宇子)

義士墓の末席も良し未草(南 秀子)

 

「創刊30周年全国ろんどのつどい」の記録を掲載。今井聖(「街」主宰)の記念講演録「失敗を恐れず自分を全面に」では会場に配布されたレジュメ「俳句に多用される陳腐極まりない語句」も掲載。「無言館」「乳母車」「里山」「水琴窟」「五年日記」「免許返納」「ドクターヘリ」など多数のフレーズを挙げ、「こんな語句を使っちゃいけないと言うより、気をつけないと他の人たちと同じような句になっちゃう」と述べる。

また「俳句界」6月号の「俳句の未来人」に掲載された佐藤れおん「春夕焼」を再録。佐藤は2005年生まれの若手会員。〈父子草さすジャムのびん外は雨 佐藤れおん〉。