11月17日〜20日
・しぐれふるみちのくに大き仏あり(水原秋桜子)
・白日は我が霊なりし落葉かな(渡辺水巴)
・八つ手咲き夜も青々と天ありぬ(菖蒲あや)
・こぼれては風拾ひ行鵆かな(加賀千代女)
11月13日〜16日
・綿虫の夕空毀れやすきかな (佐藤鬼房)
・帰り花空は風音もて応ふ (廣瀬直人)
・七五三石段天に到りけり (野口里井)
・柊咲くいつからを夕暮れと呼ぶ(塩野谷仁)
11月9日〜12日
・玉の如き小春日和を授かりし(松本たかし)
・また空を噴煙とほる枇杷の花(大岳水一路)
・昇る陽の色となりつつ尾白鷲(渡辺和弘)
・雲一つ置かぬ空なり猟銃音(鈴木厚子)
11月5日〜8日
・日が射して山かるくなる神無月(中尾寿美子)
・黄落期星のひとつに我ら棲み(岡本差知子)
・屋上のここからが空冬が来る(遠藤由樹子)
・青空や神も蜜柑も八百萬(山本紫黄)
11月1日〜4日
・夜空には数ふる星よすぐ冬よ(高木晴子)
・ペルシアより空を飛び来し大絨毯(有馬朗人)
・空はみささぎ花鶏など居させむ(飯島晴子)
・君んちの毛布をめくったら夜空(神野紗希)
10月25日〜28日
・青空の押し移りゐる紅葉かな(松藤夏山)
・秋嶺となりておのおの天に帰す(太田 嗟)
・あをぞらのつめたくなりし秋燕忌(神蔵 器)
・コーヒ店永遠に在り秋の雨(永田耕衣)
10月21日〜24日
・手鏡やみ空の鵯の声を追ひ(川端茅舎)
・金木犀耳空つぽに晴れわたり(宮地英子)
・松手入して青空もかたち佳し(横澤放川)
・銀杏にちりぢりの空暮れにけり(芝不器男)
10月17日〜20日
・によつぽりと秋の空なる富士の山(上島鬼貫)
・一痕は大空にあり鵙の贄(柿本多映)
・江戸の空東京の空秋刀魚買ふ(摂津幸彦)
・大空の雲はちぎれて秋祭(前田普羅)
10月13日〜16日
・吾亦紅風が持ち去る日月よ(渡辺桂子)
・雁の声のしばらく空に満ち(高野素十)
・干烏賊に島の日照雨のいくたびも(清崎敏郎)
・月下の宿帳/先客の名はリラダン伯爵(高柳重信)