9月1日〜4日
・大空に又わき出でし小鳥かな(高浜虚子)
・新涼や紫紺の富士を機上より(武原はん女)
・生きて仰ぐ空の高さよ赤蜻蛉(夏目漱石)
・夕暮を部屋いつぱいに入れて秋(藤原暢子)
8月29日〜31日
・吾妻かの三日月ほどの吾子胎すか(中村草田男)
・鰯雲生涯いつも一人旅(安原 葉)
・明日から九月土星よ金星よ(今井肖子)
8月25日〜28日
・秋の虹消えたるのちも仰がるる(山田弘子)
・梨むくや夜空は水をふふみをり(小川軽舟)
・暮れかかる空が蜻蛉の翅の中(津川絵理子)
・ころり寝ころべば青空(種田山頭火))
8月21日〜24日
・草ひばり色なくなりし空に鳴く(西垣 脩)
・白芙蓉暁けの明星らんらんと(川端茅舎)
・おーい雲一生いっしょ牛膝 (陽山道子)
・どちらから手を離せしか星流る(鳥居美智子)
8月17日〜20日
・秋めくやああした雲の出かかれば(池内たけし)
・天と地は縫い合わされて柚子坊よ(志賀 康)
・松虫草ケルンに走る雲の影 (永井由紀子)
・いなびかり北よりすれば北を見る(橋本多佳子)
8月13日〜16日
・瓢簞の尻に集まる雨雫(棚山波朗)
・墓洗ふをはりの水を空に打ち(丹羽真一)
・敗戦日青空だけが無傷なり(前川紅樓)
・大文字やあふみの空もただならね(与謝蕪村)
8月9日〜12日
・黙禱のしづけさ空にとりまかれ (藤木清子)
・灯を消して寝につく喜雨の音のなか (本宮哲郎)
・朝顔や濁り初めたる市の空 (杉田久女)
・秋暑く雲の奔騰なほ続く (中村与謝男)
8月5日〜8日
・炎天こそすなはち永遠の草田男忌(鍵和田秞子)
・うすものを着て雲の行くたのしさよ(細見綾子)
・なんとなく飛べそうな空今朝の秋(岸本マチ子)
・天の川わたるお多福豆一列(加藤楸邨)
8月1日〜4日
・八月の空やしづかに人並び(柿本多映)
・子を殴ちしながき一瞬天の蟬(秋元不死男)
・人々に夜空は一つ揚花火(須藤常央)
・窓広く夏の終りとなつてゐる(阪西敦子)
7月29日〜31日
・空へ消えゆく人を見てお花畑(加藤三七子)
・涼風の曲りくねつて来たりけり(小林一茶)
・をさなごと雲見てゐたる晩夏かな(押野 裕)