6月17日〜20日
・ラムネ飲む空のこくんと鳴りしとき (嵯峨根鈴子)
・落日をたしかめにゆく蝸牛(塩野谷仁)
・さみだれや船がおくるる電話など(中村汀女)
・手にとれば月の雫や夏帽子(泉 鏡花)
6月13日〜16日
・空がある毛虫の明日には空がある(永 六輔)
・南風のおもてをあげてうたふかな (木下夕爾)
・あぢさゐの鞠のかなたの空のこる(柴田白葉女)
・雨がふる恋をうちあけようと思ふ (片山桃史 )
6月9日〜12日
・キッチンの天窓にくる緑雨かな(小西雅子)
・天上も淋しからんに燕子花(鈴木六林男)
・月いでて見えわたりたる梅雨入かな (飯田蛇笏)
・日没のまへの日が差す苔の花(日隈恵里)
6月5日〜8日
・白靴や雲ゆつたりと雲の上(草子洗)
・あけっぱなした窓が青空だ(住宅顕信)
・夜の雲のみづみづしさや雷のあと(原 石鼎)
・短夜や空とわかるる海の色(高井几董)
6月1日〜4日
・大空の吹かれてゐるや青あらし(松瀬青々)
・あっと指さす翡翠は空の色 (白川陽子)
・身をそらす虹の/絶巓/処刑台(高柳重信)
・捩花にすこしななめの雨がふる(村上鞆彦)
5月29日〜31日
・空は我を生みし蒼さや花卯つ木(渡辺水巴)
・鰺刺や空に断崖あるごとし(林 翔)
・いつも日暮アカシアの花仰ぐのは(石田郷子)
5月25日〜28日
・青空に吊られるこころ山繭よ(六角 耕)
・青鷺はさみしき空を水に統ぶ(北 光星)
・滴りに空の一滴紛れけり(掛井広通)
・郭公や道はつらぬく野と雲を(堀口星眠)
5月21日〜24日
・火を投げし如くに雲や朴の花(野見山朱鳥)
・手紙でもいい電話でも青葉雨(藤井あかり)
・栗咲く香この青空に隙間欲し(鷲谷七菜子)
・麦秋の果てを雲ゆく明るさよ(檜山哲彦)
5月17日〜20日
・風薫るこれからといふ人生に(今橋眞理子)
・雲のじゆうたん芦のじゆうたん夏浅し(角川照子)
・来し方をいへば卯の花腐しかな(岸田稚魚)
・伊豆は日のしたたるところ花蜜柑(鷹羽狩行)
5月13日〜16日
・照り降りの空明るくて昼寝覚(能村研三)
・夏めくはさびしいよ風吹きにけり(今井杏太郎)
・葉桜の中の無数の空さわぐ(篠原 梵)
・まつさをな雨が降るなり雨安居(藤後左右)