歳時記365日

  • いきもの歳時記365日
    歳時記365日
    いきもの歳時記365日

    7月5日〜8日

    ・泥鰌浮いて鯰も居るというて沈む(永田耕衣)
    ・山蛭の言い分も聞こうではないか(宇多喜代子)
    ・子を追つて蟻の国まで来てしまふ(明隅礼子)
    ・鵺鳴くや退きどき死に際ぬかりあるな(平井さち子)

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    7月1日〜4日

    ・潮の香へ開く改札夏つばめ(奥名春江)
    ・金粉をこぼして火蛾やすさまじき(松本たかし)
    ・山晴るる日は呼び合ひて四十雀(中島畦雨)
    ・舟虫の逃げに徹せし一生かな(三村純也)

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    6月29日〜30日

    ・子を肩に載せて歩けば青葉木菟(福永耕二)
    ・小さな鳥になつて茅の輪をくぐりけり(井越芳子)

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    6月25日〜28日

    ・梅雨の犬で氏も素性もなかりけり(安住 敦)
    ・音楽漂う岸侵しゆく蛇の飢(赤尾兜子)
    ・とうすみはこの傾きの家が好き(山口昭男)
    ・狂ほしき犬の挨拶アマリリス(津川絵理子)

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    6月21日〜24日

    ・廃校にゐつきてをりし蝮かな(茨木和生)
    ・武者返しまで達したるなめくぢら(杉原祐之)
    ・遠い遠い慈悲心鳥と思はるる(松澤 昭)
    ・ベラの海大きな他人と並ぶかな(宇多喜代子)

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    6月17日〜20日

    ・あめんぼの耳うちしては弾けけり(山本良明)
    ・白鷺の風を抱へて降りにけり(西山 睦)
    ・かたつぶり角ふりわけよ須磨明石(松尾芭蕉)
    ・見えかくれ居て花こぼす目白かな(富安風生)

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    6月13日〜16日

    ・葭切や葭まつさをに道隠す(村上鞆彦)
    ・こんなにも大きな波へ亀の子は(高畑浩平)
    ・時鳥厠半ばに出かねたり(夏目漱石)
    ・露地裏を夜汽車と思ふ金魚かな(攝津幸彦)

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    6月9日〜12日

    ・青蛙おのれもペンキぬりたてか(芥川龍之介)
    ・ちやぐちやぐ馬こ飾らぬ馬のかがやけり(戸塚時不知)
    ・郭公の声のあけくれ吾子育つ(木村蕪城)
    ・落し文ひらきて罪をひとつ負ふ(大橋敦子)

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    6月日5日〜8日

    ・今度こそ筒鳥を聞きとめし貌(飯島晴子)
    ・雨の階段あたらしくぶんぶんが死ぬ(今泉礼奈)
    ・比ぶるなかれ一八と犬の舌(島田牙城)
    ・するすると岩をするすると地を蜥蜴(山口誓子)

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    6月1日〜4日

    翅わつててんたう虫の飛びいづる(高野素十)
    トタン屋根の上で崩れるまで孔雀(田中亜美)
    蜘蛛に生れ網をかけねばならぬかな(高浜虚子)
    うまれた家はあとかたもないほうたる(種田山頭火)