歳時記365日

  • 空の歳時記365日
    歳時記365日
    空の歳時記365日

    3月13日〜16日

    ・貝寄風や若く死にたる弟に(榎本好宏)
    ・青空に喝采のごと辛夷咲く(白濱一羊)
    ・また職をさがさねばならず鳥ぐもり(安住 敦)
    ・春塵や一時空を見失ひ(齋藤美保女)

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    3月9日〜12日

    ・引鶴の天に抱き上げられしかな(対馬康子)
    ・雨空に朴の芽ぶきのさかんなる(長谷川素逝)
    ・車にも仰臥という死春の月(高野ムツオ)
    ・深空より修二会の竹と選ばれし(野中亮介)

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    3月5日〜8日

    ・片栗や自づとひらく空の青(加藤知世子)
    ・けいちつの空より白い羽とどく(原コウ子)
    ・北窓をひらけば暮るる山の空(今井杏太郎)
    ・風光る窓辺に起てば吾も鳥(木内憲子)

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    3月1日〜4日

    ・いきいきと三月生る雲の奥(飯田龍太)
    ・ふたたびとなきあおぞらを鳥帰る(日下野由季)
    ・天仰ぎつづけて雛流れゆく(大橋敦子)
    ・薔薇色の暈して日あり浮氷(鈴木花蓑)

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    2月25日〜28日

    ・あたたかなたぶららさなり雨のふる(小津夜景)
    ・揚雲雀空のまん中ここよここよ(正木ゆう子)
    ・空ばかり春めく底の信濃かな(仲 寒蟬)
    ・カーテンのつつむ雨音二月尽(津川絵理子)

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    2月21日〜24日

    ・母思ふ二月の空に頰杖し(長谷川かな女)
    ・刺客我が身の内に棲む余寒かな(西村和子)
    ・遍照の夕日春田もその中に(廣瀬直人)
    ・木の芽空魚に戻りたくなりし(福神規子)

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    2月17日〜20日

    ・この道しかない春の雪ふる(種田山頭火)
    ・浅春や木ごとの風が聞こえ来る(依光陽子)
    ・あの空へ溺れにゆこう紙風船(高岡 修)
    ・手を容れて冷たくしたり春の空(永田耕衣)

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    2月13日〜16日

    ・下萌ゆる力となりて降る雨よ(稲畑汀子)
    ・ヴァレンタインの日ゆき雲ゆき羊ゆき(窪田 薫)
    ・木登りがふとしたくなり春の雲(山田弘子)
    ・あをぞらを花粉とぶ日よ投函す(大塚 凱)

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    2月9日〜12日

    ・山茱萸のそらいちめんに嵐かな(古舘曹人)
    ・春愁の窓越しの星消えさうに(相沢文子)
    ・草の根に日のゆきわたる建国日(三田きえ子)
    ・春雷は空にあそびて地に降りず(福田甲子雄)

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    2月5日〜8日

    ・初午の祠ともりぬ雨の中(芥川龍之介)
    ・早春の空より青き貨物船(岡本亜蘇)
    ・父病めば空に薄氷あるごとし(大木あまり)
    ・春の星またたきあひて近よらず(成瀬桜桃子)