俳人協会所蔵名品展

俳人協会創立60周年記念事業

 公益社団法人俳人協会は昨年(令和3年)、創立60周年を迎えました。これを記念して刊行された『公益社団法人俳人協会六十年史』(令和3年、俳人協会)によると、刊行時点での会員数は1万5256人。同書には設立当時からの会員数の推移が示されていますが、設立当初の昭和36年に30人だった会員数は、昭和46年に1000人を超え、平成3年に1万人を突破、同21年に1万5000を超え、以後ほぼその人数を維持しているようです。 

 

 現在、俳人協会では60周年記念事業として、俳句文学館(東京都新宿区)にて特別展「俳人協会所蔵名品展 -近世俳諧の潮流・歴代会長八名の足跡-」(https://www.haijinkyokai.jp/)を開催しています。本来は昨年度内に催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、今年に延期されたものです。
 

 なかでも見どころは、俳人協会が長年にわたって文化庁の助成を受けながら収集してきた近世俳人の作品(掛軸・短冊等)です。芭蕉·丈草·其角·蕪村·一茶関連の書簡や軸、短冊などの資料20点余りを展示し、名品を通じて近世俳諧の歴史を流れとして理解できる展示になっています。

 

 また、協会の歴代会長である中村草田男、水原秋櫻子、大野林火、安住敦、沢木欣一、松崎鉄之介、鷹羽狩行、大串章に注目した展示も併設されています。貴重な句集や結社誌の創刊号を間近で見ることができ、現代俳句への関心が高まります。

 

 開催期間:令和4年11月1日(火)~12月18日(日) 

 開館時間:10:00~16:00(最終入館15:30)

 ※12月9日(金)は19:00まで開館 

 休館日;木曜日 

 入館料:無料 

 会場:〒169-8521 東京都新宿区百人町3-28-10 俳句文学館 

 アクセス:JR中央·総武線大久保駅(北口)下車 徒歩5分/JR山手線新大久保駅下車 徒歩10分 
 問い合わせ先 TEL(03)3367-6621/ FAX(03)3367-6656

 なお、俳人協会は年に一度、協会員の優れた句集に対して俳人協会賞を与えています。60周年記念事業のひとつとして刊行された『俳人協会賞作品集 第三集』は、平成9~30年度までの33冊(同時受賞あり)を収めます。以下連載では、全4回にわたって、トピックごとに受賞句集を読み解いていきます。