俳誌「藍生」

月刊誌。平成2年創刊。清新で活気あふれる結社。師系・山口青邨。同人制なく全員平等。主宰選の雑詠中心。全国に勉強句会あり。

〈主宰〉黒田杏子

■9月号の誌面から

無名祖母クニそれは涼しき一生(黒田杏子)

父の日や草に雨粒うつくしく(遠藤由樹子)

照り降りの草匂ひ立つ土用入(多賀与四郎)

尊厳死の署名白桃の窪み(南行ひかる)

寂聴師五月生れや同じ齢(伊藤花枝)

 

シリーズ「戦後生まれの女性俳人」は小林貴子と鈴木忍。小林のインタビューでは自身の俳句遍歴や代表句〈海市見せむとかどはかされし子もありき〉の成立事情などが語られる。卒業論文「芭蕉の「涼し」」の抄録も掲載。

 鈴木のエッセイでは編集者としての経歴、初の「俳句」女性編集長となった時期の格闘、早期退職に手を挙げ朔出版を立ち上げるに至る事情などが述べられる。